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外から見た Ubie と中から見た Ubie

Ubie Discovery1 に入って二ヶ月ほど経ちました。前職では立場もあって、案件ではアドバイザーとして入ることが多く直接自分でデータをいじる機会は減っていたのですが、Ubie では一介の機械学習エンジニアとして、アルゴリズムの改善に取り組んでいます。初めての転職だったので結構不安でドキドキしたけど、新しい環境や仲間にも徐々に慣れてきた気がします。

さて、転職時に何が不安だったかというと「入社してみたら思っていたのと全然違った!」みたいなことにならないかということでした。Ubie はいろいろなところで情報発信しているので、転職を検討している段階から色々な情報に触れることはできました。ただ、やっぱり外から見える情報には限りがあるし、転職してみたら全然違ったというのもよくある話です。最近やっているカジュアル面談(とか雑談)でも、

「転職おめでとうございます!で、Ubie、実際どう?」

と聞かれることが何回かありました。

さいわい僕の場合は、入社前に想像していた Ubie と入社後に見える Ubie に大きなギャップはなく、仕事も楽しめています。ただ、それでも「Ubie に入る前に思っていたのとちょっと違ったなぁ。勘違いしていたなぁ。」と感じたことはいくつかありました。このギャップに気付けるのはいましかない!ということで、個人的に感じた点をいくつか書いておこうと思います(そして Ubie に興味のある方、是非 Meety で色々話しましょう!)。

meety.net

1. なんかみんな、至る所で「よさそう!」って言っている

Slackでも実際の会話でも、Ubie の人たちはいろんなところで「よさそう!」って言っていて、これはちょっと独特だなぁと思いました。

お互いに「いいね!」を贈り合おう、という話はよく聞きますし、前職でもそういう話はありました。ただ、僕にはちょっとした照れや違和感がありました。個人的に「いいね!」という言葉は、わざとらしさや上から目線な印象を感じてしまって、使いづらかったです。

Ubie の場合は「よさそう!」です。

よくレビューで使われる LGTM (Looks Good To Me)を日本語に訳すとまさに「よさそう」となりますが、レビューだけでなく、なにかやろうとしたときに背中を押してあげるときなどにも使います。「〜そう」という語尾のおかげで、この言葉を使うハードルがぐっと下がっている気がします。ちなみに「よさそう」よりも更に言いやすい(?)「よさそう風」なる言葉も使われていて、ちょっと御御御付け(おみおつけ)感があります。

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よさそう

入社間もないときは何をするにしてもドキドキなので、とにかく「よさそう!」といって背中を押してくれる文化はとてもありがたいなぁと感じました。同時に、前職ではあんまりこういうことしていなかったなぁという反省もしました。「まぁわかるけど、あんまりやりすぎてもなぁ。しらけちゃうよなぁ。」とか思っていたんですよね。

ちなみに業務メンターの菊田さんは「よさそう!」だけでなく、ときどき「最高!」っていってくれるんですが、これは最高に嬉しかったりします。僕も真似しよう。

2. 医師の参加するスクラム

私の今のしごとは機械学習エンジニアで、主に「与えられた症状に関連する病気を抽出する仕組み」の改善をしています。機械学習には当然データが必要で、専門知識が必要なデータについては、社内の医師に作ってもらっています。

医師にデータを作ってもらっているという話は Ubie に入社する前から聞いていたのですが、なんとなく「医師のチームがあって、必要に応じてデータ作成を依頼する」ようなプロセスをイメージしていました。

実際には、医師が機械学習エンジニアと同じスクラムチームに入って、一緒にスプリントを回しています。当然医師もすべてのデイリーを含むすべてのスクラムセレモニーに参加しています。GitHub に Issue もたてるし、PR もおくります。

機械学習の肝は質の高いデータです。前職では受託分析が中心だったこともあり、質の高いデータを用意するには、相当のコミュニケーションコストがかかっていました。Ubie では、データ作成をしてくれる医師が同じスクラムチームにいるので、最小限のコミュニケーションでデータの改善ができます。専門家の知見をアルゴリズムに取り入れることも容易です。また、普段から自分とは違った観点の話も聞けたりして最高です。

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ひとりだけデータサイエンティストでない人が混じっています。誰でしょう。

3. オンボーディングが丁寧

Ubie はスタートアップなので、オンボーディングはそこまで手厚くないだろうと思っていましたが、実際にはかなり手厚く、丁寧でした。 これは同時期に入社した okiyukiさんのブログでも書かれていますね。

入社者が全員受けるオンボーディングセッションが計4日間。加えてメンターが2名(業務メンターとカルチャーメンター)ついて、約一ヶ月間、それぞれ業務と文化のメンタリングをしてくれます。メンターは一ヶ月後にオンボーディングの卒業要件を厳正にチェックします。

Ubie には独特な組織や文化があって、結構学習コストがかかります。入社まもなく右も左もわからない時期に、しっかりサポートしてくれるのはとてもありがたかったです。

4. 動的にヌルヌル動く組織

転職時に気になっていたことの一つに「Ubie 社員の誰に聞いても良いことしか言わない」疑惑がありました。公式に発信している情報にネガティブな情報が入っていないのは理解できるのですが、面談や面接時に組織の悪い面を聞いてもほとんどでてこないんです。こちらとしては、良い面と悪い面両方を加味して、判断しようと思っているし、それがお互いのためだと思うのに。可能性としては

  1. 悪い面はあるけど、入社させたいので隠している
  2. 悪い面はあるけど、気づいていない
  3. 本当に悪い面がない

の3通りがありますが、完璧な組織なんてないので、 1. か 2. なのかなぁと思っていました。結局「まぁ、入ってみればわかるか」という感じで入社を決めたのですが。。

実際入社してどうかというと、社内にいても組織のことを悪く言う人がいないです(正確に言うと、「こうしたほうが良い」みたいな話は常にあるけど、不満にはつながっていないように見えます)。これははじめ結構不思議だったのですが、一ヶ月ほど社内にいて感じたのは

  • 完璧な組織ではないけれど、組織の課題に柔軟に適応する仕組みが機能しているから

かな、ということです。つまり、上の選択肢には含まれませんが

  1. 悪い面があっても常時解消されていくので不満につながらない

と。

Ubie Discovery では、ホラクラシーという組織形態を採用しています。入社前、ホラクラシーの一番の特徴は「フラットで自由な組織」と認識していました。同じような認識の方も多いのではないでしょうか? Ubie に入って感じたのは、ホラクラシーの特徴は「フラットで自由な組織」ではなく、「動的に動く組織」とか「アジャイルに適応する組織」だということです。

Ubie では、四半期単位でOKRが変わります。OKRが変わる(つまり四半期のゴールがかわる)と、当然必要な機能も変わってきます。すると、今まであったチームが解体されたり、新しいチームができあがったりして、組織構造も変わります。面白いのは、「(OKRにあわせて)四半期に一度、組織構造をかえている」のではなく、「メンバーが気づいた時に組織が変わる」という点で、常時組織は変わり続けていて、OKRが変わるタイミングは大きな変化が起きやすいだけなんです。

前職では、組織を作るのは上の人間の仕事で、メンバーの仕事ではありませんでした。また、組織をおおきく変えられるタイミングは年に1〜2回しかありませんでした。当然試行錯誤なんてできないし、何らかの課題があったとしても、可能な対策はかぎられてしまいます。課題があるのはわかっているけど、試行錯誤できないのって結構きついんですよね。上の人間だって人間ですから。

ラクラシーだと、組織は柔軟に変わるし、試行錯誤できるんです。これは本当にすごい。Ubie における具体例については、ソフトウェア開発との対比で紹介している記事もあるので、興味のある方はぜひご覧ください。

yoheikikuta.github.io

普通、組織構造が絡むと途端に時間がかかるようになるし、試行錯誤もできません。普段の仕事がソフトウェアだとすると、組織はハードウェアのイメージでした。だけど、翌々考えてみると、本物のハードウェアと違って組織という物があるわけではないし、やりようによってはソフトウェアになるんだなぁ、ということを Ubie に入って思いました。

まとめ

前述のとおり、初めての転職だったので結構不安でドキドキしたけど、新しい環境や仲間にも徐々に慣れてきた気がします。そして、Ubie に入ってみて、やっぱり Ubie は面白い会社だなぁと思いました。また、興味のある方は Meety などでお気軽にお声がけください!

meety.net

おまけ

同時期に入社のみんなも中から見たUbieについて書いています。参考まで。

note.com note.com note.com www.itume.ninja manabu.tech


  1. Ubie株式会社は内部的に3つの組織に分かれており、私が所属しているのが Ubie Discovery という組織です。組織によって文化が違うので、ここで書くのは Ubie Discovery の文化だと思ってください。